1日1時間分のみなし残業とした場合、欠勤分相当の固定残業代を控除は可能か
仮に欠勤した際に際に固定残業代を含めて控除するとして、月平均所定労働日数20日で20時間分の固定残業代とした場合、1日欠勤に対して1時間分を控除することなります。
欠勤に関しては、ノーワーク・ノーペイの原則で就業規則や賃金規程の欠勤控除規程に基づき欠勤日数分の賃金を控除することは問題ありません。固定残業代についても、就業規則や賃金規程に固定残業代も欠勤控除の対象とすることおよびその計算方法が定められている場合には控除することができます。
1日欠勤したときは1時間を控除し、その結果、その月の時間外労働関数が19時間以内であれば19時間分を固定残業代として支払い、19時間を超える残業がある場合は別途支払うことになります。しかし、固定残業代を欠勤控除の対象にしなければ、時間外労働が月20時間までは別途支払う必要はありません。
欠勤控除がある都度、固定残業代を含めて残業代を再計算し直す煩雑さを考えると、欠勤控除の対象に固定残業代を含めるか否かは、その会社の時間外労働の実態によることになるでしょう。
ただし、就業規則に「傷病等により30日以上欠勤した場合には、休職とする」など、休職条件として長期欠勤を定めている場合があります。ノーワーク・ノーペイの原則があるとはいえ、欠勤控除の対象として、固定残業代を含めていないことによって固定残業代の支払いを求められることも想定されます。
しかし、欠勤事由を問わず、長期にわたって全く就労していない場合において、基本給や他の手当は控除されて支払われない一方で、固定残業代だけ支払われるのは適切ではありません。したがって、例えば、「月の所定労働日数の2分の1以上欠勤する場合」といったように何日以上の欠勤で固定残業代も控除となるか明確にしておく必要があるでしょう。