若手従業員の離職の原因と防止策を探る(2)
離職原因を分析・把握する
「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると2022年1年間の転職入職者が前職を辞めた「個人的理由」では「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」が最も多く、次いで「職場の人間関係が好ましくなかった」、「給与等の収入が少なかった」、「会社の将来が不安だった」の順でした。また、「令和2年転職者実態調査」によると、転職者が直前の会社を「自己都合」で離職した理由は「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」が最も多く、「満足のいく仕事内容ではなかったから」、「賃金が低かったから」、「人間関係がうまくいかなかったから」なども多くなっています。
これらのことから、賃金が会社の属する業界水準、規模水準を下回るようでは、人材確保は困難です。また、近年は働き方改革が進み、労働者がワークライフバランスを重視する傾向にあります。たとえ賃金が高くとも、それが残業や休日出勤が多いなどの理由によるものである場合や、年次有給休暇が取りにくい環境である場合は、プライベートを重視する傾向にある若手従業員の定着を図ることは難しいと考えられます。職場の人間関係が悪いと従業員は大きなストレスを抱えることになります。特にハラスメントなどが横行する職場は、従業員の離職を防ぐのが困難になります。まずは、自社の労働条件や労働環境について従業員がどのように認識しているかをアンケートなどにより調査・分析し、問題点を明らかにする必要があります。また、退職者についてはしっかりと退職理由をヒアリングすることも必要でしょう。