法定四帳簿の指摘事項への対応 労働基準監督署の調査に対応できる「法定四帳簿」の重要性と整備について(1)
法定四帳簿とは
法定四帳簿は、法令で定められた帳簿です。「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」の法定三帳簿に加えて、2019年4月から「年次有給休暇管理簿」が追加され、4種類の帳簿を整備し、保存することが義務付けられました。これらを「法定四帳簿」といい、いずれも必要事項が記載されていればどんな様式でも構わないとされています。保存期間は、2020年4月1日施行の改正労働基準法第109条により、5年に延長されました。現状は経過措置として従来の3年ですが、5年の保存期間を見据えて対応することが重要です。
法定四帳簿に対する是正勧告
法定四帳簿に起因する是正勧告では、帳簿を作成していない、記載漏れがある、賃金台帳を事務委託した会社にあずけて自社で保存していない、などのケースがあります。年次有給休暇管理簿を除き、規定に違反した場合は労働基準法により30万円以下の罰金に処される場合があります。また労働基準監督署の調査の際に帳簿を提出しない、または虚偽の記載をした帳簿を提出した場合も処罰の対象となるため適正な整備が重要です。
次回は具体的な運用について解説します。