整理解雇について(4)
前回までは整理解雇の4要件を満たし、有効である例を見てきましたが、今回は整理解雇が無効であると判断された例を見ていきたいと思います。
銀行の所属部門が廃止された結果、担当業務が消滅し余剰人員となったとして解雇されたことを争った事例では、解雇が無効であると判断されています。
この判例では4要件についてそれぞれどのように判断され、解雇が無効と判断されたかを確認していきたいと思います。
まず、整理解雇の必要性についてですが、部門の閉鎖が経営方針の転換から行われ、経営悪化に伴う人員削減が不可避ではなかったとしています。
次に整理解雇の基準については「閉鎖される部署に属していたことで解雇の対象となっているが、対象者の選定の基準も設定されず、偶然性に左右され公平さを欠く」としています。
法科大学院そのものが廃止となり整理解雇の対象の基準を示していた先の事例との違いがよくわかると思います、