同一労働同一賃金の考え方(3)
日本郵便(大阪)事件では無期労働契約を締結している正社員に扶養手当が支給されるのに対して、有期労働契約の契約社員には支給されないことを不合理と判断しました。
継続的な勤務が見込まれる労働者に扶養手当を与えるということは使用者の経営判断として尊重し得るが、契約社員についても扶養親族があり、この裁判の原告らのうち7人は契約社員として10年以上勤務していたことなどを考慮し扶養手当の対象とすべきとしています。
このケースでは扶養手当の趣旨が「継続的な雇用を確保する」ことを目的としているため、契約社員であっても更新を繰り返し、継続的な勤務が見込まれるとして扶養手当を支給しないのは不合理な扱いであると判断されました。
前回のケースと合わせ、単なる手当の名称などではなく、その趣旨・性質によって不合理であるかの判断がされていることが分かります。