会社に労災保険支給の取消訴訟を起こす資格なし(3)
会社が労災の支給決定の取り消しを求めた本件に対し、最高裁判所は事業主は労災支給処分によって法律上保護された利益を侵害された「法律上の利益を有する者」に当たらないとして、訴訟を起こす資格である「原告適格」を有しないと判断しました。
「労働保険料の額は申告または保険料認定処分のときに決定することができれば足り、労災支給処分によってその基礎となる法律関係を確定しておくべき必要性は見出し難い」と述べ、「労災保険給付のうち客観的に支給要件を満たさない額は、事業主の納付すべき労働保険料の額を決定する際の基礎とはならない」としています。