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新型コロナ、5類への移行と企業対応

2類から5類への移行

 新型コロナウイルス感染症が、2023年5月8日から「5類感染症」に移行されました。それにより、その対応が法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組みから、個々の選択を尊重し、国民一人ひとりの自主的な取り組みを基本とする方針に転換されています。

 

新型インフルエンザ等感染症(2類相当)と5類感染症の主な違い(出典:厚生労働省ホームページ)

企業としての対応

 企業においては、5類移行に伴う取り扱いの変更を踏まえ、これまでの職場ルールを見直していく必要があります。その一つが「マスクの着用」です。

 厚生労働省の事務連絡(2月10日発出、以下事務連絡)では、3月13日から、マスクの着用は個人の判断が基本となり、本人の意思に反してマスクの着用を強いることがないよう配慮することと示されました。ただし、「事業者が感染対策上または事業上の理由等により、利用者または従業員にマスクの着用を求めることは許容される」としています。

 したがって、職場においては従業員の意思に反してマスクの着脱を強いるようなことはできませんが、マスク着用が必要とされる場面などを含め、会社として基本的な方針を定めることは差し支えありません。

 検温や定期的な手指消毒、従業員のデスク間や会議室等におけるパーテーションの設置を講じてきた職場も多くあります。検温や定期的な手指消毒は継続的に実施する企業も多いでしょうが、パーテーションの撤去、社員同士や取引先との会食や飲み会の解禁などについても見直しが必要になります。

 

体調不良者への対応

 新型コロナに感染した従業員から体調不良で休みの申し出があった場合には、従業員の選択により年次有給休暇の取得または欠勤扱いとすることに問題はありませんが、就業規則の定めに則った対応が必要になります。

 また、感染が疑われる体調不良者や、感染者でも症状が軽度で出勤を希望する従業員、濃厚接触者への対応をどうするかを検討する必要もあります。

 企業には安全配慮義務があることを踏まえると、体調不良者で感染が疑われる場合や濃厚接触者である場合には、本人の就業希望の有無を問わずテレワークを命ずる、または休業させるなど出社以外の対応の検討も必要になります。なお、5類への移行により就業を禁止するときは、労働基準法に基づき休業手当(平均賃金の6割以上)を支払う必要があります。

令和5年5月勤労統計調査

厚生労働省は毎月勤労統計調査の令和5年5月分の速報結果を公表しました。

現金給与総額は283,868円(2.5%増)となり、うち一般労働者が368,417円(3.0増)、パートタイム労働者が102,303円(3.6%増)となり、パートタイム労働者比率が31.84%(0.65ポイント上昇)となりました。

一般労働者の所定内給与は323,676円(2.2%増)、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,269円(2.5%増)となりました。

就業形態計の所定外労働時間は9.7時間(前年同月と同水準)でした。

賃金は上昇しているものの実質賃金はマイナスが続いており、5月も約1%のマイナスとなっております。

最低賃金について

厚生労働省の中央最低賃金審議会は6月30日、今年の最低賃金の引上げ額の目安を決める議論を開始しました。

 

最低賃金については、昨年は過去最高の引上げ額となりましたが、今年は全国加重 平均 1,000 円を達成することを含めて、公労使三者構成の最低賃金審議会でしっかりと議論を行うとしています。

また、地域間格差に関しては、最低賃金の目安額を示すランク数を4つから3つに見直したところであり、今後とも、地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げる等、地域間格差の是正を図るともしています。

物価上昇の中、全国平均で1000円を超えるかが注目されています。

最新の有効求人倍率について

令和5年5月の数値をみると、有効求人倍率(季節調整値)は1.31倍となり、前月を0.01ポイント下回りました。


    新規求人倍率(季節調整値)は2.36倍となり、前月を0.13ポイント上回りました。


    正社員有効求人倍率(季節調整値)は1.03倍となり、前月と同水準となりました。


    5月の有効求人(季節調整値)は前月に比べ0.7%減となり、有効求職者(同)は0.1%増となりました。


    5月の新規求人(原数値)は前年同月と比較すると3.8%増となりました。

国民年金の納付状況

厚生労働省の26日の発表によると、2022年度の国民年金保険料の納付率は前年度から2.2ポイント増の76.1%となり、11年連続で上昇しました。各年度の納付期限を過ぎた後、過去2年分までさかのぼって支払うことができる分を含めた最終納付率は80.7%と、初めて80%を超えました。
数年前までは60%台であったことを考えると、納付率はかなり改善されていることがうかがえます。
また、全額免除・猶予者は 606 万人と令和3年度より6万人減少しており、安易な免除者の増加によるものでもないことが分かります。

定期健康診断の未受診者への対応について

 会社には、使用者として労働者に対して、安全で、かつ、健康な状態で働かせなければならないとする「安全配慮義務」があります。したがって、会社はたとえ労働者が1人であっても、労働安全衛生法に基づき、1年以内ごとに1回(危険または有害業務、深夜業については6か月以内に1回)、定期的に、その使用する従業員に対して健康診断を実施しなければなりません(安衛法第66条、則第44条)。

 この定期健康診断の実施によって、自覚症状の有無にかかわらず定期的に労働者の健康状態を確認し、体に異常が無いか、病気の兆候が無いかを法定診断事項に基づいて把握することができ、なおかつ仕事に対しての配慮もできることになります。労働者に定期健康診断を受診させていない会社に対しては、50万円以下の罰金が科せられることになります(同法第120条)。

 なお、「定期」とは、毎年同じ時期に行うということです。原則として、前回の受診からの間隔が1年を超えないようにしなければなりません。従業員が1年以内ごとに1回の定期健康診断を受診せずに、会社もそのことを放置(黙認)していて、万が一、過重労働等が原因で従業員が病気を発症したり、病状が悪化したりすると、会社は安全配慮義務を怠っていたと判断されてしまいかねません。訴訟に至った場合には、不法行為責任を問われて損害賠償を請求されることにもなりえます。

 したがって、会社としては、仕事が忙しいなどの理由で受診しない労働者をそのまま放置するのではなく、受診義務があることを説明し、前回の受診から1年以内に受診させなければなりません。

 労働安全衛生法では労働者に対しても、使用者の実施する健康診断を受診する義務を課しています(同法第66条5項)。違反したとして労働者本人には特段の罰則はありませんが、会社は使用者として定期健康診断を受診しない労働者に対して、定期券診断の受診命令に違反したとして、懲戒処分を行うことができます。

 受診は業務命令の一つでもあります。したがって、正当な理由もなく受診しないことについて、なんらかの処分もせずに放置していると、他の従業員も影響を受けて健康診断を受診しない者がさらに出てくる可能性もありますので、このような厳しい処分も必要と言えます。

 なお、懲戒処分を検討する場合は、就業規則に定期健康診断の譴責や戒告、重ければ減給とする例もありますが、処分を科すことによって会社としてやるべき措置は講じていたということにもなります。

 また会社は、会社は、定期健康診断を受けて、診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に関して、労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師または歯科医師の意見を聴かなければならない義務が課せられています(同法第66条の4)。そしてその必要性が認められるときは、その労働者の実情を考慮しながら、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずる必要があるほか、作業環境測定の実施、その他の適切な措置を講じなければならないとされています(同法第66条の5)。

 

社会保険の適用拡大

2022年10月に短時間労働者への社会保険適用が常時100人を超える事業所へと適用が拡大され6ヵ月が過ぎました。

2024年10月には常時50人を超える事業所にまで拡大されますので、改めて短時間労働者が被保険者となる要件を確認したいと思います。

①週所定労働時間が20時間以上であること

②報酬の月額が8万8000円以上であること

③雇用期間が2ヵ月を超えて見込まれること

④学生でないこと

 

上記の中で②の8万8000円の算定が迷うところではないかと思います。

8万8000円の算定は基本給および諸手当で判断することになっていますが、以下の1~4の賃金は算入されないことになっています。

1,臨時に支払われる賃金(結婚手当等)

2,1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)

3,時間外労働に対して支払われる賃金、休日労働および深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)

4,最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当および家族手当)

 

3,と4,は8万8000円の算定には含めませんが、被保険者資格取得届や算定基礎届等の届出の際の報酬月額には含めますのでご注意ください。

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働き方改革関連法における年次有給休暇の取り扱いについて

2019年4月1日から働き方改革関連法が順次施行されます。
その中でも、本日取り上げさせていただくのが年次有給休暇のことです。

2019年4月1日から使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日時季を指定して有給休暇を与えることが義務付けられます。(10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者ということですが、年次有給休暇が付与が10日未満の労働者…例えばパートタイム労働者など、所定労働日数が少ない労働者については適用外となります。

今までは労働者が自ら申し出なければ取得できなかったところを、今後は使用者が取得時季を聴き、希望を踏まえて時季を指定することになります。
また、時季指定をする場合は、休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項であるため、就業規則へ記載しなければなりません。

年に5日の年次有給休暇を取得させなかった場合や、時季指定を行うことを就業規則へ記載せず時季指定を行った場合は罰則が科されることがありますので、使用者の方は注意しましょう。

今回の年次有給休暇に関する事や、そのほかの働き方改革関連法に関する詳細は厚生労働省ホームページにリーフレット等がございますので、ぜひご参照ください。

 

割増賃金の基礎となる賃金から除外できるものは?

割増賃金の基礎となるのは、所定労働時間の労働に対して支払われる『1時間当たりの賃金額』です。

例えば月給制の場合は、各種手当を含めた月給を、1ヶ月の所定労働時間で割り1時間当たりの賃金額を算出します。

この時以下の物は労働と直接的な関係が薄く、個人的事情に基づき支給されるので、基礎となる賃金から除外できます。

①家族手当

②通勤手当

③別居手当

④子女教育手当

⑤住宅手当

⑥臨時に支払われる賃金

⑦1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

①~⑦は例示ではなく限定列挙されている物ですのでこれらに該当しない賃金は全て算入しないといけません。

※①~⑤の手当については、このような名称の手当であれば、すべて基礎となる賃金から除外できるという訳ではないのでご注意ください

 

 

 

 

被扶養者異動届の手続き

平成30年10月1日より日本年金機構で受け付ける「健康保険 被扶養者(異動)届」について、添付書類の取り扱いが変更になりました。

一定の要件を満たしている場合には、証明書類の添付を省略する事が可能となります。

なお、被保険者と被扶養者の認定を受ける方との同居の確認については、日本年金機構で確認が行われるため、原則として添付書類は不要となっています。ただし、日本年金機構において同居の確認ができない場合には、別途、住民票の提出が求められることがあります。

 

詳細につきましては、下記のURL(日本年金機構)をご覧ください。

 

詳細  https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2018/201809/20180905.html

 

 

 

 

 

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