代休・振替休日の正しい運用法(1)
休日の考え方
労働基準法では労働者に与えなければならない休日が定められており、これを「法定休日」といいます。法定休日の原則は「少なくとも毎週1日」ですが、例外として、月の起算日を明らかにした上で、繁閑に応じて「4週を通じて4日以上」の変形休日とすることも可能です。
一方、法定休日以外に使用者が任意で定めた休日を「所定休日」といいます。法定休日と所定休日では、割増賃金の取り扱いや法定の割増率が異なります。このため、法定休日の特定は義務付けられていませんが、週休2日制などを採用している場合には、就業規則の休日規定を具体的に定めておくことが望ましいとされています。
休日の労働と割増賃金
法定休日に労働させることを「休日労働」といいます。休日労働を可能とするには36協定を締結した上で労働基準監督署に届け出て、就業規則などに規定し、周知する必要があります。
また、休日労働には休日割増賃金の支払い義務が発生します。割増率は35%以上、深夜労働(原則午後10時から午前5時)に及んだ場合の割増率は60%(35%+25%)以上となっています。なお、休日労働が法定労働時間である1日8時間、週40時間を超えた場合でも、時間外労働に対する割増賃金は重複して支払う必要はありません。
一方、所定休日の労働は通常の労働時間として換算されるため、休日割増賃金を支払う義務はありません。ただし、所定休日の労働時間が法定労働時間を超えた場合には割増率25%以上の時間外割増賃金を支払う必要があります。
混同しがちな代休と振り替え休日について、次回解説したいと思います。