能力不足解雇 判例その1ー1
これは単なる能力不足では解雇できないという判例です。
このケースでは就業規則で解雇について「精神または身体の障害により業務に堪えないとき。」や「労働能率が劣り、向上の見込みがないと認めたとき。」などと定められており、会社側はこの「労働能率が劣り、向上の見込みがないと認めたとき」に該当するとして解雇しました
会社側は様々な主張で該当社員の能力に問題があったとしており、裁判においても以下の点が認められました。
1,人事部採用課に所属していた際、寝坊して飛行機に乗り遅れて会社説明会に行けなかった。
2、人材開発部に所属していた時、研修を円滑に進行させることができなかった
3,企画制作部に所属時、外注先から担当者を代えてほしいと苦情を受け、担当を代えざるを得なかった
4,過去1年間の人事考課で役員の除く全従業員の下位5%に該当する
5,労働能率が平均的な水準に達しているといえない
このように、裁判所も該当社員の能力を「業務遂行は、平均的な程度に達していなかったというほかない」としていますが、なぜ解雇無効と判断したのでしょうか。
解雇無効と判断された理由を次回見ていきます。