整理解雇について(5)

 前回見た銀行での整理解雇が無効と判断された例では、回避努力がなされていなかった点も指摘されています。

 銀行側は組合との団体交渉の実施に消極的であり、労働者・組合が職務や賃金条件の変更の上での勤務継続の希望を表明したにも関わらず、当所の応諾期間を堅持し、その後の交渉を一切拒絶しました。

 これらの点から解雇回避努力を尽くしたとは認められず、労働者や労働組合との誠意ある協議を行ったとも認められませんでした。

 以上の点を踏まえて、人員削減の必要性を直ちに否定できないものの、それ以外に要件を充たしておらず、この解雇は権利濫用による無効とされました。

 可能な限り雇用の継続を図ろうとした学校法人の例と、交渉の拒絶した銀行での例の対照的な点が分かるかと思います。

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